あの「風立ちぬ」が戦争讃美詩より問題な理由 美の追究は時として人を殺す | ブックス・レビュー | 東洋経済オンライン

「美」を追求することの危険性とは(写真:くまちゃん/PIXTA)

多くの人にとって心地よいものであろう美は、人を殺すこともある。彫刻家にして詩人、高村光太郎の戦争賛美詩「必死の時」は、死地に赴く若人の背を押した。そして、スタジオジブリのアニメ『風立ちぬ』には戦争賛美詩よりも問題があると言われたら、驚かずにいられるだろうか。『危険な「美学」』を書いた成城大学の津上英輔教授に聞いた。

「美しさ」に潜む危険

──美学とはどんな学問ですか。

美とは何か、そして芸術とは何かを考える学問です。私は美を捉える感性の働きを重視しています。「切ない」という言葉の意味の変遷を例にしましょう。もとは「出口がない」という物理的状況を表したのが、人の感情に転移して鬱々とした気分を意味するようになり、さらに現代ではプラスの意味に使われる。これは昔の辞書やネットでの用法で検証できます。客観的なデータに基づいて、人の感性を解明できるのです。

──どう社会の役に立ちますか。

2000年ごろにノスタルジアという言葉の研究をし、語源的には帰郷痛=病気が「懐かしさ」という美に類するものに転化したのを知ったときから、美の内包する負の面を意識するようになった。例えば、対峙する軍隊は互いに敵国の懐かしい歌を大音量で流すことがあります。よき時代を……(中略)…… l">記事の全文を見る⇒(東洋経済オンライン)



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